日 本 の 林 業
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林業を知るためには、まず基礎的な数字をみてください
日本の森林について
1.面 積
@森林面積 2,521万ha(国土面積の約70%)
A国 有 林 786 〃 (森林面積の約31%)
B公 有 林 270 〃 ( 〃 11%)ほとんどが県有林
C蓄 積 31億‰ (針葉樹20億‰、広葉樹11億‰)2.人工林と天然生林
@人工林とは・・・人為的に苗木植栽などによって造られた森林
1. 人工林面積は現在1,033万ha(全森林の約41%)
(スギ、ヒノキ、カラマツなどの針葉樹の単純林がほとんど)
2. 年平均約7,000万‰の蓄積が増加している。
(年平均約3,000万‰の蓄積が増加している。)
A天然生林とは・・原生林・自然林、二次林※をいう。(雑木林含む)
| ※二次林とは 森林が攪乱作用等により破壊された後、植生が回復してゆくが、その植生 遷移の途中にある森林。 |
3.山村と農林業
(1)戦後の復興と森林づくり
(1)現在までの林業の経緯
@荒廃した森林の復旧
太平洋戦争による大偕伐後、放置されていた跡地への造林が急務とされていたことから政策措置等も講じられたが、戦後の混乱期のなかでは都市でも農山村でも造林のための経済的余裕や人々の気持ちも非常にすさんでいたことからなかなか進展しない状況であった。
その後経済や食糧事情なども安定してくると人々の心に余裕が出はじめた。そんな中、昭和25年にそれまで政府管理の統括品目であった木材や薪炭が自由化されたことや、戦後廃虚となっていた都市部での住宅建設などにより林業生産活動に刺激を与えることになった。同時期の朝鮮動乱の特需景気にもあおられ、木材需要の急増により価格も高騰した。
しかし、一方では伐採跡地の造林は、伐採に追いつかない状況がみられたことや台風被害による深刻な災害発生により、国も本腰を入れ、昭和25年に造林臨時措置法が制定された。また伐採跡地の解消に向けた政策措置なども講じられ、国をあげた国土緑化がおこなわれていった。
A戦後10年間で100万haに造林
戦中戦後の伐採跡地の解消には、戦後約10年を要したが、これによって日本林業の戦後処理は終了した。100万haを超える伐採跡地を10年で解消したのは特筆すべきことである。
1. 短期間で解消できた要因
イ. 日本経済の急速な復興
ロ. 農地改革による自作農の誕生、農家経済の充実
ハ. 食管制度による米価の安定
2. 農家経済の充実により生まれた家計余剰を、造林に投入できる余力を森林所有者(その多くは農家であり零細「小面積」)がもてるようになったことが最大の要因であること。また、当時の農山村には労働力が豊富にあったことも要因といえよう。
B燃料革命と都市への人口移動薪炭生産は、日本の林業のなかで大きなウエートを占めていた。(昭和21年当時の薪炭材は、全国伐採材積の約半分3000万‰)このため薪炭生産は、山村経済の有力な支えになっていたが、昭和30年前後から家庭燃料が、それまでの薪炭から石油系燃料に急速に移り変わっていった。(燃料革命)
この燃料革命により薪炭生産は急速に崩壊していってしまった。これにより山村社会は経済的な支えを失ってしまうという甚大な影響を受けた。(所得源を失った。)
しかし、このことについての当時の社会的関心は薄かった。なぜならば、薪炭生産の崩壊以上に、都市の労働力市場が拡大傾向にあったことから、農山村から都市への人口移動(雇用需要増大)により薪炭生産に変わる所得が容易に得られたからである。このことは、特に若者層を中心に行われたが、この潮流は農山村の人口流出(過疎化)として現代の問題にもなっている。
C拡大造林の進展
里山地帯を中心とした広葉樹薪炭林は、燃料革命により用途を失うが、この頃から広葉樹をパルプ原料として利用する技術を開発したことで、新たな用途を見いだし、再び伐採が行われるようになった。また、これに加え、高度経済成長下においての木材需要は年ごとに増大を続け、木材価格も好調に推移した。(林業をとりまく条件は極めて良好であった)
このような状況の中で、森林所有者は林業の将来に明るい展望をもち、旧薪炭林の伐採跡地にスギ、ヒノキなど針葉樹の人工林を造成する拡大造林を積極的に行っていった。
戦後の人工造林はこれまでに2回のピークがあり、第1回目は昭和29年の(43万3千ha)で以後下降するが、第2回目は昭和36年(41万5千ha)に現れる。また、1回目のピークは、戦中戦後の伐採跡地への造林が多いが、2回目のピークは、圧倒的に拡大造林が多く、以後10年間は毎年30万ha前後の高い水準で拡大造林が行われ、人工林面積が急速に増大した。
D急増する木材輸入
林業労働力の不足や労働賃金の高騰などにより木材の伐出費用の増大から国内の林業経営も次第に低迷の気配がただよってきたころに、国内の需要にこたえるため輸入材が入ってきた。
輸入材は毎年増加を続け現在に至っている。現在では、木材の自給率は25%程度まで落ち込んでいるのが現状であり、それにひきかえ輸入材の輸入量は、約8,200万‰にまで達している。(国内材木は、約2,900万‰)
E林業経営を悪化させた要因
1. 伐出費用の増大(労働賃金の高騰や、運搬費用の高騰)
2. 造林費の増大(労働賃金の高騰)
3. 苗木代の増大
4. 丸太価格の低迷(間伐材の需要低迷も含む)
※これらにより山元立木価格が赤字に転じている様な状況では、意欲を持って林業経営に 乗り出す山林所有者がいなくなるのも無理はない。
F林業労働力の不足
経営条件の悪化はEだけにはとどまらない。それは、都市への人口流出(過疎化)により林業労働力の絶対量そのものが不足を来しており、林業経営の持続を制約する大きな原因となっている。加えて若年層の新規参入がほとんどないため、量的不足と高齢化が同時進行している状況である。 また、林家の中心は農家(農家林家)であり零細なことから経営は厳しい状況にある。
G林業発展の条件 −地域林業づくりへ−
厳しい状況にある我が国の林業経営も、決して先行が暗いことばかりではなく、今後発展するチャンスは大いに期待できると思われる。
☆発展していくためのキーポイント
1. 戦後の造成に努めてきた人工林が、まもなく成熟期(伐期)に達すること。
2. 年間約6,000万‰の蓄積量を増加させていること。
☆発展していくための問題点
1. 丸太売買市場の拡大しなければならない。
2. 山林から丸太を市場に出すための流通システムの整備。
3. 伐出等のコスト低減のための機械化の促進。
4. 労働力の確保。
※ トータル的に、これらのシステムを構築拡大していくためには地域社会ぐるみの都市と山村及び森林組合などが結びついた総合システム造りが最大の課題であると思われる。 Hこれからの森林管理
1.森林の役割を認識した総合的管理
イ. 木材の生産
ロ. 水資源のかん養
ハ. 国土の保全(森林所有者にとっては、個人)
ニ. 生活環境保全(大気浄化や騒音防止)財産であると同時に公共財産であることの認識
ホ. 森林浴
ヘ. レクリェーション活動のフィールド
ト. 自然体験学習の場として
※ 国民全体から見ると公共財産としての性格が強い。☆ 上記のような森林の働きを維持し、森林に対する国民の期待に応えるために、森林の整備を一層進めることが必要である。
I山村の振興と都市と山村との交流
1.山村振興法のねらい
森林地域社会である山村は、過疎化と高齢化によって、森林生産活動が低迷している。このため山村に暮らす人々が、豊かな生活を享受できるように山村の社会的経済的条件を整備し、森林管理を促進していく。
2.都市と山村の交流
最近、野外活動の急速な発展や自然に対する国民の意識の向上から、都市と山村の交流が、拡大される方向にある。このような交流が進むことによって、国民の多くに山村の実状を理解してもらい、山村振興の重要性について共感を得るのに役立つ。
また、交流促進により雇用が創出され山村の所得源にもなり、なによりも都市の活力が山村に注入され、山村活性化の力となりうる。
林業と環境保全
J地球環境保全と日本林業の役割
1. 現在「自然環境としての森林」を評価する考え方が定着している。
2. 地球温暖化、酸性雨、オゾンホール、砂漠化など、地球規模の環境激変に対して、森林施業の面からも対応していくことが重要な課題。
3. 地球温暖化と砂漠化を抑止する上から森林の存在が注目されている。
4. 森林施業先進国としての経験と技術を環境保全の面に有効利用し、発展途上国への森林開発や管理に技術協力をしていくことが望ましい。
5. 国際社会のなかで、他国の模範となるような森林管理を実践していくことが望まれる。
山村について |HOME|
1.振興山村
(1)振興山村とは(定義)
林野面積の占める比率が高く、交通条件及び経済的、(山村振興法第2条)文化的諸条件に恵まれず産業開発の程度が低く、かつ、住民の文化水準が劣っている山間地その他の地域
※ 具体的には
1.旧市町村単位で林野率75%以上
2.人口密度16人未満の地域
3.山村振興法第7条に基づき内閣総理大臣により指定された「山村」である。
(参考)
振興山村面積(1543万ha)の約86%が森林であること。
2.中山間地域
(1)中山間地域とは:農林統計において、全市町村を
@都市的地域
A平地農業地域
B中間農業地域及び
C山間農業地域の4つの地域に区分したうちの中間農業地域と山間農業地域をあわせた地域である。3.山間農業地域
林野率が80%以上と高く、また耕地率が10%未満の市町村4.中間農業地域
平地農業地域と山間農業地域との中間的な地域であり、林野率が50%以上であって、耕地率が20%未満又は傾斜地に存する耕地の占める割合が一定以上の市町村をいう。5.中山間地域が置かれている状況
1. 著しい人口の減少(過疎化)
2. 進行する高齢化(65歳以上の高齢者は全国平均よりも約6%も高い)6.林家について
全国の森林保有面積の約88%は林家が保有しており、その数は、全国総数約286万のうちの約251万をしめている。言い換えれば林家は零細であるということである。また、林家の形態や構造により、日本の林業経営及び将来を決定する大きな要因である。
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