林 業(森林施業)

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市民にとっての林業

 ここで述べる林業と林業経営の目的と方法は、林業経営者のためのものではない。普通の市民が山村に入り、林業を営んでいる森林を眼にした場合、そこで行われていることを理解してもらうためのものである。下刈りや間伐と呼ばれる作業が何のため行われているのか、その目的を知らずに批判したり、間違った「手入れ」を必要なことと勘違いしないようにするためである。    

森林の管理

(1)管理とは・・・ ある目的のため、森林に対して人為的な影響を及ぼすことが管理である。(目的がない森林に対する管理は存在しない)
(2)施業(管理)の目的
@木材生産
 1. 丸太生産を主目的・・・・・材の品質に重点(無節、完満材)
 2. パルプ、燃料を主目的・・・生産量に重点

※新たなキーワード・・・・・・「生産力」の維持から「多様性」の維持へ

 ☆ 多様性維持のための人工林の意義
  ◎ これまでの人工林は、スギ、ヒノキが多かった。
   理由は、(1) 建築物の材料(同一規格品質の材ができる)
       (2) 生産性が高い(成長が早く、土地的適正)
  ◎ 広葉樹は薪炭等に利用
     ↓
     戦後→拡大造林(目的はもっぱら建築材として:単一目的のみ)

  ◎ 将来の維持は・・・ 地域区分を目的によりはっきりさせていくことが
             要求され、これにより天然林(自然林)を目的に合
             わせ守って(管理)ゆくことが求められる。 

A他の林産物生産
 1.キノコ、山菜など
 2.落葉掻き、下草刈り
 3.狩猟鳥獣
B公益的機能
 1.治山・治水機能・・・水源涵養林、各種保安林
 2.気候緩和機能・・・・防風・防霧・防潮林
 3.景観保全機能・・・・レクレーション、自然公園、魚付き林、航行目標林
 4.人類の共有財産として遺伝子保存林、生態系保護地域・・・絶滅危機種、稀少植物    

林業でいう施業とは

 森林に対する一連の行為は施業と呼ばれる、植え付け、下刈りなど、個別の作業を組み合わせたものが「施業」であり、復層林施業、天然林施業など目的別に体系付けられる。  

施業と作業に関する主なキーワード

(1)伐採の準備と実行
@収穫調査・・・毎木調査
A伐採前地拵え、作業道の開設・・・伐採の準備作業
B予備伐、先行植栽・・・更新のための補助作業
C伐採面積と区画・・・皆伐、択伐、帯状伐採、種面積皆伐
D伐採の道具と機械・・・チェーンソー、ハーベスタ
E集材、搬出の手段・・・架線集材、地引き、修羅(シューター)、集材機
(2)更新(次の森林を作る)作業
@天然更新(自然の再生力を利用)
 1. 下種更新・・・・・・種子からの発芽による。
 2. 萌芽更新・・・・・・切り株からの萌芽による。
 ※更新補助作業・・・・・天然更新を助ける(除草作業等)
A人工更新(適地適木の原則)
 1. 人工播種、直播き・・・スギ、ヒノキは可能
 2. 植樹(植え付け)・・・かしょく
 3. その他(育苗、実生苗、挿し木苗、山引き苗、裸根苗と仮植、ポット苗、自然発芽を持ってくる。)
(3)保育(手入れ)
@下刈り・・・・・・・造林木と競合する雑草木の排除(初期)
A間伐と除伐・・・・・密度調整、競争の排除
B枝打ち・・・・・・・無節材、完満材の生産(中期)
C病虫害の防除・・・・直接防除、育林的防除
(4)公益的機能の増進
@植林、林相改良
A下層植生を増やす、複層林化、非皆伐施業
※複層林施業の長所と短所

       長   所        短   所
1.公益的機能の増進
2.保育経費の軽減(?)
3.短い周期での収入が可能
4.優良材の生産が可能
5.林地の立体利用による土地生産性の向上
6.各種の気象害の緩和 
1.施業が集約的になる(×)
2.伐出経費の増大
3.風害や不定枝の発生による上木質低下
4.冠雪害に弱いこともある
 

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